FXSEがどのような過程で作られたか、「予測と分析に至る道」をご案内します。
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第2章 根本的な分析へ ~ そもそも為替はなぜ動く
言わば「為替レートのうわべの動きから解析する」テクニカル分析予測では難しいと判断した後、「より原理から解析する」方針に転換する事にしました。
「そもそも、為替レートを動かすものは何なのか?」
それらを分析する事で、より根拠がはっきりした分析・予測ができるのではないか?と考えた訳です。
では、為替を動かすものとは一体何なのでしょう。
為替はそもそも、ドルと円など異なる通貨同士の交換です。つまり、ドルと円を交換しないといけない・交換したいと考えた人々がいて、実際に交換条件の提示・交換が始まるとそれによってレートが動くわけです。
ということは、その構成を考えると答えが見えてきます。
為替を動かしている構成要素は、1. 投機 / 2. 実需(貿易)/ 3. 投資(年金・保険)/ 4. 政府機関、といったところでしょうか。
一歩進んで、その各々はどういう性質を持つのか考えてみます。
1.投機
売ったら買い戻し、買ったら売り戻しがあるため、一方通行にならず戻りのある取引
⇒ 為替も行った分だけ戻りのある値動きになる
2.実需
貿易・サービス貿易の支払い決済用の取引で、お金の対価がモノやサービスのため、ドルから円、円からドルのいずれか一方通行の取引
⇒ 為替も一方通行の値動きになる
3.投資
保険・年金運用の投資や、災害発生時の取り崩しに関する取引で、投資の開始・円満な終了時は投機や実需に沿った値動きになるが、緊急の取り崩しは災害発生がトリガーになり、突然起こる
4.政府機関
為替介入の為の取引で、これが起こる時はその前に投機ポジションが一方的に偏った状態になっていることが多い
何から分析しようか検討した際、当時(今もですが)金融界では「実需もそうだが、最も為替を動かすのは投機だ!」と広く言われておりました。そこでAnalytics Systemsでは、まず投機の要素を分析してみる事にしました。
最も為替を動かしているのは投機?
実際、短期的視点で見ると、最も為替を動かしているのは投機であると言えます。
中長期の視点で見ると実需が為替を動かしていますが、短期の視点で見たチャートの上下動(週足より小さい単位で顕著な小刻みのギザギザ)の大半は投機が作りだしていることに異論はありません。