FXSEがどのような過程で作られたか、「予測と分析に至る道」を読み物形式でご案内します。
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第1章 最初はテクニカル分析から

1999年に流体力学とコンピュータ計算の私設研究所として創立したAnalyticsSystemsは、2007年、金融の世界に研究を広げるにあたり、テクニカル分析による為替予測に着手しました。

チャート分析やRSI/MACD等の指数をもとに予測を行う方法で、短期取引主体の方々には最もメジャーな手法と言っても良いかと思います。

チャートや指数の元になっているのは為替レート、そして予測したいものも為替レートですので、予測に用いる材料と予測したいものが同じである事がわかります。これはつまり、「過去と同じ値動きをするだろうと想定した予測」を行っていると言う事が出来ます。

良い成績を残したこともあったものの、当たるタイミングと当たらないタイミングの差が激しいのが難点でした。当たらないタイミング(「チャートのダマシ」と表現されますね)になっても損失を抑える事が出来る様に、経過時間もしくはレート変位幅の閾値を定め、確実な損切りを行う「対症療法」の実施が必要になってしまいます。

色々と指標を増やしてシグナルの相関も測り試してみたものの、2006~2008年当時のミニバブルやベア・スターンズ破綻~リーマンショック等の荒波の中では有効な相関性を見出すことができません。その為、どうしても機械的な損切りルールの策定・遵守が必要になり、時期によって成績がまだら模様になってしまうテクニカルでの継続は難しいとの結論に至りました。

時刻要素

色々なテクニカル分析を試行する中、研究した中には「時刻の要素」もありました。

為替の短期取引をされている方は「特定の時刻に動く」と感じたことがあるかと思います。2009年当時ですが、15:20 15:40(※夏時間)などは、午後の定時精算時刻として、毎日の様に大きく(数十銭)値動きがあったと記録しています。また、日本が昼休みの時間帯に大きめの売買が入って、ストップロスポイントを攻める動きをする事も多くありました。

これらの動きを予測や取引の材料にする為、まずは誰が行っているのか確認しようと考え、金融端末のBloomberg端末やロイター端末を眺めて為替取引を観察し続けた事があります。

昼休みにストップを攻める動きをしたのはBB社の取引だったと分かったのも当時の思い出です。自社顧客の投資で必要になる取引とストップ攻めの取引を同時に「取引量の少ない昼休み時刻」に行う事で、レート変化の増幅効果を狙ったのかもしれません。

Bloomberg端末・ロイター端末

金融市場関連のニュースで流れる「ディーリングルーム」の映像に映りこむ、金融専門のコンピュータ端末です。ヘッドラインやチャートを表示できる他、実際の取引も端末上で行うことができます。ブルームバーグの端末はコマンドと専用キーボードの「GO」押しによる操作で、慣れるまで一苦労でした。慣れればマウスより早いのですが。
ロイター端末は早くからマウス操作が可能になったと記憶しています(私の環境では)