根拠と精度の両面から、業務使用に相応しい予測分析を提供します

「そもそも何によって為替が動くのか」をテーマに研究観察を行い、そこで得られた知見から「確固たる根拠」を持って予測を構成しました。

予測理論

Analytics Systemsでは「為替が動く大元の要因は実需であり、実需によって中長期の値動きが形成され、投機によって短期(2週間から半年スパン)の上下動が形成されている」と考えています。FXSEはこの理論の基で構築されております。

実需の影響

実需のメインはモノやサービスの購入対価支払いによる為替取引ですが、市場金利や金利・金融政策も「実需によって経済が動いた結果に対するアクション」ですので、実需の派生と考える事ができます。保険・年金の外債・外国株投資開始・終了(※1)についても、金利・経済の結果を見て動く事を考えるとやはり実需の派生であると言えます。
つまり、ほとんどの要素の根底に実需がある事から、実需データを元にした予測がカバーできる範囲は非常に広いと考えています。
※1「保険・年金の投資終了」が緊急で発生した場合は実需と連動しません。東日本大震災時の保険金支払い・再建費用工面で海外資産の円転が必要になった際、実需・投機の推移と為替推移が全く異なるタイミングがありました(2011~2012年に観測)

投機が与える影響

投機は売り・買いの後に必ず買い戻し・売り戻しがあることから、為替相場には2週間~6ヶ月周期の上下動となる影響を及ぼしています。事実、CFTC投機ポジション推移と為替レートをチャート表示すると、双方の高い相関性を観察する事ができます。
為替介入は行きすぎた投機に対して是正を加えるケースが多い事から、投機の要素と考えています。投機ポジションが大きく円売り・円買いに傾いた際、解消する方向に介入が入り、結果的に投機の最大値がある水準※2で頭打ちになる効果が観察されています。
※2 投機の最大・最小水準については、FXSEの投機インデックスでご覧いただく事ができます。

以上の基本的な考え方を元に、「実需で計算したAI中長期予測」と「投機の過去推移および現状把握」で今後の為替を予測し、それに対するストラテジーを組む一助になる事がFXSEの目標です。

中長期のトレンドの注意点

投機は最終的に巻き戻される性質がある事を考えると、中長期トレンドの形成要素は実需であると言えますが、実際は投機も、短期で揺れるだけではなく中長期のトレンドを作りだす事が出来ます。

2024年前半がまさにその例で、数カ月にわたって一方的に買われ続けドル買いの偏りが増え続けた結果、実需予測の円高方向トレンドを大きく上回る円安ドル買いトレンドが生み出されました。しかし過去25年というスパンで見た時そのような状況に陥ったのは稀ですので、現在のところは実需推移=中長期トレンドとして取り扱っています。

実需要素 ~ FXSE実需予測エンジンの構造と特長

FXSEでは、半年後までの中長期トレンドを予測する「実需予測エンジン」が用いられています。その構造を端的に述べますと、予測材料は国際収支の特定科目(過去数年分)で、予測エンジン自体は固定の数式です。予測エンジンの数式各項に材料の数値を入力すると、予測値が算出されます。

その開発には、私設研究所の持つ能力(流体力学・高度コンピュータ計算・金融知見・実需企業での実務)がフルに活用されました。

FXSEは、AI予測の悪い面を解消し、良い面だけを活用できるソリューションです

予測材料が「国際収支統計の特定の科目」で固定ですので、
「この予測の根拠は?」と聞かれた際に「国際収支の推移からです」と明確に回答可能です

AI予測に多い「毎回予測根拠が異なる」・「根拠が複雑で理解不能」な状況にはなりませんので、稟議時の質疑対応が楽になります

予測エンジンの実体が「固定の数式」ですので、
材料の数字が同じであれば何度予測しても同じ結果を得る事が可能です

AI予測に多い「予測する度に結果が揺れ動くので、稟議書の数字が旧くなる」状況にはなりませんので、為替予約時の稟議・執行手続きが楽になります

材料科目の選定と数式のパラメータ算出はAIで行われていますので、広義的には「AI予測」と分類可能です

簡単そうで難しい「AIで何か結果を出す」課題に応える事が可能です


過去15年分の、半年前の時点で予測していた中長期予測(緑のライン)と実際の為替レートのチャートです。未来の予測精度まで保証することはできませんが、少なくとも現在までについてはトレンドを予測できているのではないでしょうか。

投機要素 ~ 投機ポジションインデックス

FXSEが提供する、投機ポジションインデックスと為替レートのチャートです。
投機インデックスが、レートの短期振動成分との間に高い相関性がある事を観察できます。なお、投機インデックスに未来予測値はございません。実績値のみの提供ですのでご注意ください。


FXSEでは、実需による半年後までの中長期予測と投機による短期振動成分の合成インデックス、投機ポジションの積み上がりインデックスを提供しております。長い目で見た推移と短期の動きを元に、ストラテジーを組む一助としてご利用ください。

FXSEができるまで ~ 研究の歴史

Analytics Systems の金融研究は2007年に始まり、15年の歳月が経過しました。
完成までの間、当研究所がどのように試行錯誤し、どのように考え、どのような手順で作り上げたか、読み物形式でご案内いたします。
トレーダー・アドバイザーの皆様には釈迦に説法な内容になってしまい恐縮ですが、金融・為替実務・流体力学・高度コンピュータ計算の4身が一体となった、実践と研究の過程をご覧頂けますと幸いです。